パラグアイの課題
第2回 ニャンドゥティ
第3回 スラム
第6回 インフラ
ニャンドゥティ
第2回の藤掛教授の授業では、パラグアイの伝統工芸品であるニャンドゥティについて学び、近年その文化的価値が認められる一方で生産者の方々が十分な収入を得られていないという問題があることを知りました。手作りであるがゆえに時間がかかるうえ、一つ一つが不揃いであるため、規格化して大量出荷することが難しいそうです。こうした、商品の質や生産効率に関する企業のニーズと、手作りや世界に一つだけの文様といった伝統工芸品の良さの間のミスマッチは、ニャンドゥティ産業を持続させるために考える必要があると感じました。
スラム
第3回の授業では藤掛教授よりパラグアイにあるスラムについて学びました。スラムのうち、パラグアイ川沿いにあるバニャード・デ・スル(以下、カテウラ)を取り上げ、具体的な事例から学んでいきました。カテウラの住民たちは、ゴミの収集や分別、首都アスンシオンでのインフォーマルセクターでの労働などを主な収入源にしており、多くが土地の不法占拠という形で暮らしています。ここでは、教育の問題、スラム出身であることによる賃金格差、女児の妊娠、シングルマザー問題、ドラッグ問題、都市部でのカテウラ出身者に対する差別や偏見など、様々な問題が残っていることを学びました。それと同時に、人々の中には自分たちのアイデンティティがカテウラにあると感じている人もいるそうです。一概に全てが良くないことだと決めつけずに、カテウラで暮らしていく方々にどのように向き合うことが大切であるかを考えました。
また、パラグアイ渡航経験が2回ある並木優貴さん(都市科学部都市社会共生学科4年)のカテウラでの取り組みについてもお話し頂きました。並木さんは2018年9月にカテウラにおいてドラッグ予防の講習会を開催され、その資料は現在もカテウラで使用されています。掲載のパワーポイントはその一部になります。
インフラ
第6回授業は、横浜国立大学大学院にパラグアイから留学されていたカルロス・アバロスさん(元藤掛研究室所属、現パラグアイNihonGakko大学教員)をお招きし、パラグアイのインフラストラクチャーについて学びました。講義では、パラグアイのインフラ整備における展望・課題について理解を深めることができました。環境・天候などの外的要因を考慮できなかった計画や、人材不足が課題として挙げられているそうです。また、基礎的なインフラの整備に加え、バリアフリー化など更に進んだところまで考えた計画が必要とされています(現在は道路と歩道に段差があるために、道路を通るしかない車椅子利用者の方もいらっしゃるそうです)。講義を通してインフラが整備されることによって経済が成長すること、そしてインフラが整備された環境で生活できていることは決して当たり前ではないことを自覚することができたと思います。パラグアイのインフラ整備において、どんな対策・教育が必要なのかを考えるきっかけとなりました。